
~子どもたちがこれからの時代を自分らしく生きていくために~
「非認知能力」という言葉を耳にする機会が増えました。
教育に関心のある方であれば、一度は聞いたことがあるかもしれません。しかし、「学力とは何が違うの?」「実際にはどんな力なの?」「なんとなくは分かるど・・・」と感じている方も多いのではないでしょうか。
私はこれまで、子どもたちと日々関わる中で、学力だけでは測ることのできない「人としての土台」となる力の大切さを何度も感じてきました。
もちろん、漢字や計算、読解力などの学習はとても大切です。
しかし、それ以上に子どもたちの将来を左右するのは、「困ったときにどう考えるか」「人とどう関わるか」「失敗してももう一度挑戦できるか」といった力ではないでしょうか。
MOCOPLAでは、このような力を育てることを、毎日おこなうアクティビティの時間を中心とした全ての時間でおこなっています。
非認知能力とは何でしょうか
非認知能力とは、テストの点数や偏差値では測ることのできない力を指します。
例えば、
- 最後までやり抜く力
- 自分で考えて行動する力
- 相手の気持ちを考える力
- 協力する力
- 自分の気持ちを言葉で伝える力
- 感情をコントロールする力
- 新しいことへ挑戦する力
- 自分を信じる力(自己肯定感)
などが挙げられます。
近年、教育の世界ではこの非認知能力が非常に重要視されています。
その背景には、社会の変化があります。
これからの時代は、「知っていること」だけではなく、「知識をどう活用するか」「人と協力しながら課題を解決できるか」がますます求められるようになっています。
文部科学省も、新しい学習指導要領の中で「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指しています。知識を一方的に覚えるだけではなく、自ら考え、仲間と話し合いながら学ぶ姿勢を育てることが大切だと示されています。
また、経済協力開発機構(OECD)は、子どもたちが将来必要とする資質として、知識だけではなく、協働する力や責任感、自己調整力などの重要性を繰り返し示しています。
参考
・文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」
・OECD『The Future of Education and Skills 2030』
学力と非認知能力は対立するものではありません
「非認知能力が大切」という話をすると、「では勉強は二の次なのですか?」という質問をいただくことがあります。
もちろん、そんなことはありません。
むしろ私は、学力を伸ばすためにも非認知能力は欠かせないと考えています。
例えば、難しい問題に出会ったとき。
「難しいからやめよう。」と思う子と、「もう少し考えてみよう。」と思える子では、その後の成長は大きく変わります。
この「もう少し頑張ってみよう」と思える力は、計算ドリルだけでは育ちません。
毎日の小さな成功体験や失敗経験、人との関わりの中で少しずつ身についていくものです。
MOCOPLAでは「話し合うこと」をとても大切にしています
MOCOPLAには、子どもたち同士で話し合う場面がたくさんあります。
もちろん、「どちらが正しいか」を決めるためだけの話し合いではありません。
私たちが大切にしているのは、「自分の考えを安心して話せる場所であること」です。
「こんなことを言ったら笑われるかな。」
「反対されたらどうしよう。」
そんな不安を抱えたままでは、本当の意味で自分の考えを伝えることはできません。
だからこそ、私たちは日頃から、「ここでは自分の意見を言っていいんだよ。」ということを子どもたちへ繰り返し伝えています。
また、相手の意見も否定するのではなく、「そういう考え方もあるね。」と受け止める姿勢を育てることも大切にしています。
「決め方」もみんなで決める
子どもたちは毎日さまざまな選択をします。
遊びを決める。順番を決める。役割を決める。
私たちは、その答えだけを決めるのではなく、
「どうやって決める?」
ということも子どもたち自身に考えてもらいます。
じゃんけんにするのか。
多数決なのか。
譲り合うのか。
順番にするのか。
「決め方を決める」という経験は、一見小さなことのようですが、民主的な話し合いの第一歩です。
大人がすぐに答えを出してしまえば簡単です。
しかし、子どもたち自身が納得できる方法を考える経験は、社会に出てからも必ず役に立ちます。
「嫌だ」と言ってもいい
もう一つ、私たちが大切にしていることがあります。
それは、
「嫌なことは嫌だと言っていい。」
ということです。
日本では、「我慢すること」が美徳として語られる場面も少なくありません。
もちろん、少し我慢することが必要な場面もあります。
しかし、相手に傷つけられたときや、自分が嫌だと感じたことまで飲み込む必要はありません。
「それは嫌だった。」「私はそう思わない。」「やめてほしい。」
こうした言葉を安心して言えることは、自分を守る力でもあります。
そして同時に、「相手にも気持ちがある」ということを学ぶ機会にもなります。
子ども同士のトラブルが起きたときも、私たちはすぐに大人が結論を出すのではなく、お互いの話を丁寧に聞きます。
「どう思った?」「どうしてそうしたの?」「次はどうしたらいいかな?」
こうした対話を重ねることで、子どもたちは少しずつ相手の立場を考えられるようになっていきます。
非認知能力は、日常の中で育つ
非認知能力は、特別な教材で育つものではありません。
宿題に取り組む時間、ボードゲームで友達と協力する時間、工作で試行錯誤する時間、年齢の子どもたちと過ごす時間、ケンカをするとき。。。
その一つひとつが学びの機会です。
「どうしたらうまくいくかな。」「次はこうしてみよう。」「ありがとう。」「ごめんね。」
そんな何気ない毎日の積み重ねこそが、子どもたちの土台をつくっていきます。
放課後は、子どもが大きく成長する時間
学校が終わってからの数時間は、単なる「空いた時間」ではありません。
友達と関わり、自分で考え、挑戦し、失敗し、また挑戦する。
その繰り返しが、子どもたちを大きく成長させます。
MOCOPLAでは、この放課後の時間を「預かる時間」ではなく、「育つ時間」にしたいと考えています。
宿題を終わらせることももちろん大切です。
しかし、それだけではなく、「今日は友達に自分の考えを伝えられた」「最後まで諦めずに取り組めた」「困っている友達を手伝えた」という経験も、同じくらい大切にしたいのです。
最後に
子どもたちが大人になる頃、社会は今よりさらに大きく変化しているでしょう。
そんな時代だからこそ必要なのは、「答えを知っている人」ではなく、「答えのない問題に向き合える人」です。
自分で考え、相手の話を聞き、時には意見をぶつけ合いながらより良い方法を見つけていく力。
困難に出会っても、「もう一度やってみよう」と思える心。
そして、自分も相手も大切にできる人間関係を築く力。
これらは一朝一夕に身につくものではありません。
だからこそ、子ども時代の日々の積み重ねが大切です。
MOCOPLA八幡山教室では、学力の向上だけを目標にするのではなく、子どもたち一人ひとりが安心して挑戦し、自分の考えを伝え、人と協力しながら成長できる環境づくりをこれからも大切にしていきます。
子どもたちが10年後、20年後に「MOCOPLAで過ごした時間が、自分の土台になっている」と感じてもらえるように、私たちは一人ひとりとの毎日の関わりを大切に積み重ねていきたいと思います。
